ゲームの無理な話

ゲームに関する話題をまとめていきます。ゲームのシステムについての話や、ストーリーがあるものについてはその中身も扱う予定です。

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過酷なスマホゲー「キュアぱず」にこの先はあるのか? 難しすぎるゲームについて

「キュアぱず」と妨害アイテムの悪夢

プリキュアシリーズのキャラクターが登場するパズルゲームプリキュアつながるぱずるん」(略称・キュアぱず)は、メキシコの荒野のような難易度だと話題になった。このゲームは色のついたピースをつなげて破壊し、ポイントを稼ぐというオーソドックスなパズルゲームだ。しかし、妨害アイテムが多すぎることから、プリキュアが大好きな大人のファンからも不満が噴出している。


このゲームの優しい・易しいポイントとして、1日1回まで広告動画によるコンティニューが可能である点が挙げられる。7色あるピースを4色に限定するアイテムも同様の方法で無料になるため、ステージの難易度を下げることも可能だ。だが、最悪の場合に盤面の9割を覆う可能性のある妨害アイテムは、プレイヤーから士気を奪う。難しすぎるゲームはこの世に栄えないということを実感させられる。

 

 

 

クリアの喜びの重要性

プリキュアのゲームに限らず、プレイヤーは報酬を求めてゲームをプレイする。例えば、ドラゴンクエストで魔物を倒すと経験値が奪われたり、ゴールドをブン奪られたりするなら、プレイヤーはどんどん去っていくだろう。あのゲームにおける喜びは経験値を貯めてレベルアップし、新しい技を覚えること、それからゴールドやカジノのコインを貯めて強い武器を買うことのはずだ。そして、その技や武器を使ってより強い敵を倒す。つまり、ご褒美によってやる気を引き出すことがゲームを続けさせるコツなのである。


では、キュアぱずはどうなのかといえば、一般ステージをクリアしても十分な報酬を与えられない。経験値が雀の涙ほどももらえないのだ。ボス戦ではそれなりの経験値がもらえるが、新しい面が解放される以外の喜びは感じられない*1。イベントステージではイベントカードがもらえるが、それ以外のステージで手に入るのはせいぜい少々の課金アイテムだけである。やる気を引き出せない(ないしはやる気を挫く)レベルの報酬はあっても無駄だ。それこそ、ドラクエで弱すぎる雑魚モンスターに遭ったときに戦わないで逃げ出すように、プレイヤーも逃げ出してしまう。

 

喜びを認識させること

ここで、難しいパズルをクリアしたとき、誰もが快感を覚えるのではないかという反論が考えられる。だが、それはゲーム自体が報酬になっている場合だ。例えば、Windowsのパソコンに標準装備されているようなトランプゲームをクリアしたとき、クリアした自分を褒めたくなるという人もいると思う。その快感は、複雑なパズルをクリアしたという優越感、誰かに自慢したくなる気持ちによるものだろう。


一方で、キュアぱずは新しいゲームである。プレイヤーは何が快感になるかを認識できておらず、幸せを享受できない。そうした新しいゲームにおいては、報酬を明示し、プレイヤーに快感を認識させることが求められる。ところが、キュアぱずはクリア報酬が十分ではないので、プレイヤーに十分な快感を与えられていない。では、プレイヤーが何に快感を覚えてプレイしているかといえば、おそらくプリキュアが登場することだろう。まるで「好きな絵が描ける」と言われてやりがい搾取されているイラストレーターのようだ。

 

プレイヤーの不快感

逆に何がフラストレーション(不満)になっているかといえば、パズルが続かないことである。1個消すことでもう1個が繋がって消せると言うのは、このタイプのパズルにおける快感だが、前述の通り、このゲームには妨害アイテムが多い。繋げようと計画していた部分のピースが急に妨害アイテムに変化することも多く、それがプレイヤーのイライラになっている。当初は指定された枠内を通らないとテキにダメージを与えられない(つまり、他の妨害アイテムを除去しなければ、ダメージが与えられない)という妨害アイテムもあったが、今はなくなっているようだ。こうした不快感を取り除けば、ユーザーの幸福感も増幅するだろう*2

 

心を折るゲーム

課金制のゲームにおいて、心を折るゲームは売り物にならない。強いカードがなくてもクリアできるが、強いカードがあればもっと良い結果が出る、というぐらいが望ましい。そうしなければ、未課金状態のプレイすら継続できず、課金前にプレイヤーが音を上げてゲームから去ってしまうだろう。当のキュアぱずは、残念ながら心を折る側のゲームだ。最近のメンテナンスで難易度が下がった面があるが、それでもまだ難しい。ある程度進むとボスの体力が6桁になり、ピースもなかなか繋がらなくて絶望することになる。よほどの逆境に強いタフなニンジャであれば、「モエテキター」と喜んで尻尾を振るだろうが、なかなかそういうガイはいない。


ランクアップの渋さ

キュアぱずがメキシコと呼ばれる最大の理由がランクアップミッションの難易度の高さだ。通常のスマホゲームでは、ゲームのクリア時にもらえるランクアップ素材を集めることでカードをランクアップし、強いカードに変化させることができる。だが、キュアぱずにおいてはランクアップ素材の概念がない。ラスボス(現時点では第4ステージの40面)を制限ターン数内に倒すなどのミッションをクリアしないと、ランクアップできないのだ。これでは、メキシコのタフな男も泣いて逃げ出してしまう*3


そして、お察しの通り(?)、このゲームにおけるランクアップカードとはプリキュアの変身後のことである。これが欲しい人がほとんどだと思うが、現在ランクアップカードが用意されているのは、いわゆる初代にあたる『ふたりはプリキュアMax Heart』の3人と前作『魔法つかいプリキュア』の3人だけである。これらに該当するカードのうち、4枚はゲームをスタートしたときに入手できる。しかし、いずれも星3(上限レベル35)であり、現在のラスボスステージの推奨レベルは40だ。最高レアの星4(上限レベル40)を引かなければ、勝負はタフなものとなる。最初に書いたとおり、アイテムを駆使すれば難易度をいくらでも下げられる。だが、それでも詰む盤面はあるので現実は非情である。

 

心を折らないために

心を折らないためには、ランクアップカードの配布までをチュートリアルに含めるべきだ。今の状態では、メキシコの荒野を制したギャングのキングしかランクアップカードの恩恵に預かることができない。例えば、チュートリアルの簡単なミッションの後で弱いランクアップカードを手に入れるのは、ゲームを頑張ることで強いカードが手に入るということを認識させる良い経験になる。今の状態では、網走を経験した人がいきなりメキシコに行くことになり、とてもやる気が出るとは思えない。


これまで数々のメキシコの闘士たちがミッションをクリアしてきたが、こんなハードなミッションを毎日やっていたらタコスのミンチ肉になってしまう。せめて各最終ステージクリアで1枚貰えるなど、全体的に入手難易度を下げるべきだろう。このままでは多くのプリキュアが変身できずに終わる。

 

チュートリアルの重要性

「プリパラ プリパズ」というパズルゲームがある。このゲームの初期においてはチュートリアルの説明が不十分で、チュートリアルで挫折する人があとを立たなかった。このプリパズのパズルには2つの大きな特徴がある。ピースを何回も破壊してゲージを貯めると(即ちスピード勝負で)音楽ゲームに突入することと、ピースを一定の数繋げて破壊すると「プ」「リ」「パ」「ズ」のピースが1つずつ発生し、揃ったピースを破壊することで(即ち長さの勝負で)最強モードに突入することだ。しかし、その説明が十分でなかったため、多くの人は各モードに突入するという簡単なチュートリアルミッションがクリアできなかった。


ここから学ぶべきことは、チュートリアルでしっかり説明し、ユーザーの心を掴むことは重要だということだ。ちなみに、キュアぱずは新しい妨害アイテムが登場するたびに説明が入るが、種類が多すぎるので覚えるのに時間がかかる。他のメキシカン達も指摘している通り、絶対に消えない妨害アイテムやなかなか消えないのにどんどん追加される妨害アイテムもあるので、タフさが足りないとすぐに足を掬われる*4

 

喜びを認識させるために

このように、難しすぎるゲームからはユーザーも逃げていく。ゲームに喜びを感じられなければ、そのゲームを続けていく意義はないだろう。難しいゲームはユーザーの士気を高揚させるどころか、心を折る可能性すらある。ランクアップしたカードの性能を体感させるなど、プレイヤーに快感(の享受の仕方)を認識させることが開発・運営者には求められる。

 

簡単なイベントが見せた新たなメキシコ性?

ところで、「キュアぱず」で最近終わったイベントは、難易度が低かった*5。しかし、毎日7つのステージをクリアすることで、各ステージで7人分のイベントカードを3枚ずつ手に入れることができるというものだった(体力の上限は20)。このイベントの意図は、スキル(ひっさつわざ)が上限までパワーアップした状態を味わってほしいということだろう。ただし、最大レベルはレベル10で、必要なカードは合計32枚である。そのため、イベント期間序盤で3枚もらえることに気づけなかったメキシカンは地の底に突き落とされた。


これをレベル10にできた人は必殺技で20000近くダメージを与えられるカードや、必殺技を使うたびに必殺技ゲージのチャージに必要な時間が減る効果のあるカードで、ゲームを有利に進められる。それまでは、必殺技とは名ばかりで、4000程度ダメージを与えられれば御の字だった。しかし、レベル10の力を思い知ったことで、メキシカン達の認識は改められた。これはユーザーにうまく快感を認識させていたよい例だと思う*6


このように、頑張ればこういうことができますよということを、プレイヤーに身をもってわからせるのは大切だ。もちろん、イベント用のものは弱くしなければガチャを購入してくれた人に示しがつかない。あくまで、弱い効果のものが求められる。(イベントリコ、略してイベリコは強すぎた。)

 

*1:キュアぱずはスーパーマリオのようなマップ方式になっており、特定のステージにボスがいる。

*2:もちろん、それを全廃するとゲーム性が低下する。

*3:ちなみに、パワーアップ素材もないので、トレーニングステージ(1日4回まで/それ以降は課金アイテムが必要)を地道にクリアしていくしかない。

*4:個人的には、ステージごとに登場する妨害アイテムを明記して、その都度各アイテムの効果が見られるようにしてほしい。

*5:5/4現在開催中のイベントは、「げきむず」としてレベルの高いエキストラステージがある。クリアするとコンティニューに使用できる無償ダイヤが80個ずつもらえるので一応お得だが、プレイ自体にコンティニューを要するので注意が必要だ。

*6:星3/上限レベル35なので、特別に強いというわけではない。必殺技発動までこぎつけなければ、他の星3と同じだ。

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