ゲームの無理な話

ゲームに関する話題をまとめていきます。ゲームのシステムについての話や、ストーリーがあるものについてはその中身も扱う予定です。

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「バンドリ!ガールズバンドパーティー」 茨の道の音楽ゲーム

ゲームなのに苦行

そもそもガルパって?

以前の記事でも紹介したが、「バンドリ!ガールズバンドパーティー」(通称・ガルパ)というかなり挑戦的なゲームがある。

 

このゲームでは、プレイヤーが音楽ゲームをプレイすることで経験値やコインを貯めていく。

 

ストーリーやキャラクターによる会話がレベルアップやアイテム購入(ゲーム内無償コイン)の見返りとなっている。

 

さらにストーリーを読んだ報酬として、新たなアイテムや曲が解放されていく*1


一般的な音楽ゲームと比べて、ストーリーを読破することの優先度が高いため、プレイヤーがキャラクターに感情移入しやすいようになっているのがこのゲームの大きな特徴だ。

 

前述の通り、待機画面でキャラクター同士の会話を見ることができる他、音楽ゲームのプレイ直後にもキャラクターの感想として会話が展開される。

 

アニメに登場していないキャラがほとんどな中で、そうしたキャラクターがプレイヤーの心を掴んでいる。

 

なぜ苦行?

そんなゲームがなぜ苦行扱いされるのかといえば、イベントがハードだからである。

 

このゲームのイベントでは、通常プレイによって得られるイベントポイントを貯める。

 

ポイントの累計数に応じて、イベント限定のストーリーやカード、貯めるとエリアアイテム(ルームアイテムに相当)と交換できるイベント限定アイテムなどの報酬を手に入れる。

 

そのイベントポイントが、異常に基準が高くて手に入りづらいのも問題だが、ゲームの構造自体もかなりハードなものになっている。ガルパのプレイヤーは日々茨の道を進んでいるのだ。

 

 

 

主な苦行

7keys

このゲームでは、音楽ゲーム時に押すボタンが7つもある。

一般的な音楽ゲームではこれより多いものもあるのだが、横置き型のスマホゲームの中ではかなり多い方だ。

 

7keysの何が問題かといえば、指が足りないことと間違って隣のボタンを押しやすいことだろう。

 

ちなみにボタン自体も小さくて目視できないので、位置を感覚で覚えていくしかない。3つ以上を同時押しする譜面はなさそうなので、親指2本指でのプレイも理論上は可能だ。

 

他のゲームにない譜面構成

他のスマホゲームではあまりない譜面構成をしていることも難易度を上げている。

 

BPM(テンポ)が高い曲でスネアドラム(小太鼓)の音に合わせて連打するのを強要してきたり、端から端までスライド(指を離さずに横にずらす)するのを3セット連続でしたりする譜面がある(いずれも最高ランクEXPERTの譜面)。

 

そもそも全体的にBPMが高く譜面の密度も高いので、脳で処理しきれない人もいるかもしれない。(スマホもタッチを認識しきれないかも。)

 

異常なイベントポイント

イベントポイントの基準が他のゲームより高い。イベントストーリーを全部解放するまで70000ポイント、限定カードの獲得まで30000ポイント(星2)または150000ポイント(星3)である。

 

他のゲームでは、閲覧できなかったストーリーをイベント終了後に解放するものもあるが、このゲームではその機能はまだ実装されていない。

 

限定カード自体にも限定ストーリーがついているので*2、そちらに関しては永遠に閲覧できなくなる。


そのイベントポイントを獲得する手段だが、1人でプレイするフリーライブと、ネットで繋がったプレイヤー5人がランダムに選ばれて(または自主的に部屋を作って)プレイする協力ライブがある。

 

協力ライブの方がポイントが高いのだが、色々と問題がある。

 

詳しくは後述するが、1回で1500ポイント手に入ったとしても、1イベント中に100回プレイする必要があり、お金を落としてくれそうな社会人ができる所業ではないことは明確だ。

 

協力ライブの罠

「非協力的」認定

前述の協力ライブだが、プレイヤー同士が協力できていないのが実情だ。否、むしろ、「協力できない」人を糾弾する風潮まで存在する。

 

協力ライブはプレイヤー個人のバンド*3の強さをプレイヤー個人のスコアに反映させた上で、それぞれのバンドのセンターにあるカード(いわゆるリーダー)のスキルを5人で共有してプレイする。

 

つまり、バンドの強さは個人のスコアに、センターのカードのスキルの強さ*4はプレイヤー全員のスコアに影響を与える。

(弱いカードしか持っていない人はスコアが低いし、全体のスコアも下げる。)


この協力プレイで獲得できるイベントポイントは、5人のスコアの合計に依存する。

 

当初はこの甘い目標設定(「みんなで高いスコアを目指そう」)が原因で、プレイせずに(全ミスで)ただ乗りする人があとを立たなかった。

 

前の記事でも説明した通り、一応対策はされたが、今度は音楽ゲームが苦手な人、自分のクリアできない難易度を選んだ人が糾弾されている。

 

そもそも、協力とは「ある目的に向かって力を合わせること*5」「力を合わせて事に当たること*6」であり、誰か一人の利益を追求する営みではない。

 

その力の大小に関わらず、皆の目的のために手を差し伸べれば、それは協力であるはずだ。

 

しかし、協力の手を拒む事で協力者を減らしているのは誰か? 紛れもなく、糾弾者だ。楽しいゲームのためにも、誰かに罪をなすりつける行為はやめるべきだ。

 

多すぎる情報公開

どうして弱いものいじめが発生するかといえば、その人が弱いとわかってしまうからだ。

 

そもそも、この協力ライブでは公開される情報が多すぎる。

 

スコアとコンボ数だけでなく、PERFECTやBADなどの判定の内訳、その人が選んだ難易度*7、読み込みの速度まで表示される。

 

そのせいで、ゲームにおける弱者(と回線の弱者)があぶり出されてしまうのだ。

 

もちろん、なかなかSにならないスコア判定の渋さも問題なのだが、弱者が足を引っ張ったせいで強者の取り分が減るというような構図ができてしまうのも大変な問題である。

 

高すぎる自由度

先ほど難易度が選べるという話が出てきたが、実は協力ライブでは、プレイヤーが選べる要素が多い。

 

前述の通り、センターにどのカードを置くかも選べるし、曲目もプレイヤー個人が自分で選んだ上で、その中からランダムに選ばれる。

 

これだけ選べる要素が多ければ、プレイヤーに優しいゲームだと見てもよいだろう。

 

ただし、画面に映っている以外の情報は得られないため、見方によってはプレイヤーに厳しいゲームに変貌する。


例えば、あるキャラクターがどうしても好きな人が、そのキャラクターの星2(注:最大ランクは星4)のカードをセンターにしたとき*8、他のプレイヤーはどう思うだろうか?

 

あるスコア重視のプレイヤーは、そのプレイヤーを馬鹿扱いしてネットに晒すかもしれない。公開されている情報からそのキャラクターのファンであるということは読み取れない*9

 

そのため、「非協力的な馬鹿なプレイヤー」、「身の程知らずのプレイヤー」として、悪意の対象となるかもしれないのだ。

 

そう考えると、代表のカードは自由に選べるのではなく、バンドの中から自動で選ぶという仕組みの方が恨まれなくてよいのではないだろうか?

 

自由な切断

あるいは、得意な曲や新しく追加された曲を選択する人もいる。この場合、複数回同じ人と当たって、「またこの曲かよ」と思う人が出てくる*10

 

もちろん、得意だという情報は伝わらないわけで、同じ曲ばかり選ばれて不快感が溜まる人も出てくるのは仕方ない。だが、問題は、不適切なタイミングで切断する人の存在だ。


なぜ退室したのかがわからないため、不具合や誤操作で締め出されたのか、選ばれた曲や自分のミスが気に入らないから自らアプリを終了させたのかの区別はつけられない。

 

選曲のタイミングなどで切断された場合は、◯◯さんが切断されましたと表示されて、全員ライブブースト(スタミナに当たる*11 )を消費しないまま締め出される。

 

一方、曲の直前や曲中に切断された場合は、切断した人のスコアが反映された状態でプレイが継続される。

 

プレイへの参加を決定した時点でスタミナが消費されるゲームも多い中、このゲームではプレイ直前までライブブーストを消費しないので、ゲームに参加しないことを選択できる。


自由とは不自由なもので、作り手が意図しない方向に暴走することもある。自由に切断してよいせいで、他のプレイヤーが害を被るとは嘆かわしいことだ。

 

(ちなみに、他のゲームの協力プレイでは、ライブの成績への貢献度によってポイントが入るので、メンバーに切断者がいてもさほど打撃はない。)

 

このように、ゲームにおいて、「できる」「わかる」というのはほどほどにしておいた方が良い。

 

嫌ならアンケートに書け

ここまで読んでわかっていただけたと思う。このゲームは茨の道だ。頭ロゼリア*12という言葉もあるようだが、このゲームはまさにそれである。

 

今の段階だと、このゲームの目玉要素のひとつであるイベントストーリーにありつけないまま脱落していく人が増える。もう少しゲームシステムを調整してほしいものだ。


そして、ユーザーの側もネットに不満を書き込むだけでなく、アンケートなどに書いて運営に改善を訴えるべきだ。特に重課金者は勿体無い。

*1:カバー楽曲を購入するための無償アイテムもストーリーを読まなければ手に入らない。これにはイベントストーリーも含まれる。

*2:カードの特訓(ランクアップ)と同じ属性アイテムを使うことで、カードのストーリーが解放され、読破するとカードのステータス値がアップする。

*3:このゲームでは所持カード5枚を組み合わせたものをバンドと呼んでいる。

*4:スキルにはスコアアップや一定時間判定を甘めにしてくれるもの、ライフを回復させてくれるものがある。

音楽ゲームが得意な人は全員スコアアップでないと嫌なようで、スコアアップ以外のスキルを持ったカードをセンターにしている人がいると切断される場合がある。

*5:大辞林第三版 協力(キョウリョク)とは - コトバンク

*6:デジタル大辞泉 協力(キョウリョク)とは - コトバンク

*7:協力ライブの最大の優しさはゲームの難易度をプレイヤー個人が選べるところだ。

しかし、他の人が高難易度を選んでいる中で自分だけ低難易度を選ぶことができるかはまた別の話である。

*8:ちなみに、イベントにはピックアップという制度があって、特定のキャラクターのカードをバンドに入れるとイベントポイントがアップする。

そのため、星2のカードがバンドの脇を固めることは普通にある。

*9:プロフィールにバンドファンの称号をつければ、もしかしたらわかってもらえる可能性がある。

*10:選曲の問題が起こるのは、好きな曲か「おまかせ」かを選べることに起因する。

全員おまかせだと本当にランダムに選曲されるが、1人だけ曲を選んだ人がいると、自動的にその曲に決定する。2人以上いる場合は、抽選になる。

なぜ曲を変えなかったり、おまかせを選んだりするかというと、曲を選んでいる時間で他のプレイヤーに迷惑をかけたくないからだ。

曲を選ぼうとした結果、時間がかかって結局おまかせにするという人も少なくない。

囚人のジレンマに似ているが、みんなが喜ぶ選曲をするか、誰も喜ばない選曲をするか、1人だけが喜ぶ選曲をするかは5人の選択にかかっているのだ。

*11:このゲームではスタミナがない代わりに、報酬が5倍になる権利を30分に3回、合計3個付与される。ライブブーストがなくても、ライブには参加できる。

*12:ゲーム内にRoseliaというバンドが登場する。

Roseliaの中心メンバー・湊友希那と氷川紗夜は一流のロックフェスに出場することを夢見ており、そのために一流のメンバーを集め、一流の演奏をしようと日々練習を重ねている。

それに高難易度・高スコア志向のユーザーを重ね合わせて、頭ロゼリアなプレイヤーと呼んでいるようだ。

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