ゲームの無理な話

ゲームに関する話題をまとめていきます。ゲームのシステムについての話や、ストーリーがあるものについてはその中身も扱う予定です。

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無限に広まるデッキビルド:「遊戯王デュエルリンクス」っていいなと思った瞬間

効果を組み合わせる楽しさ

普通のソーシャルゲームでは、効果*1がパターン化しがちだ。「攻撃力がXX%アップ」とか「効果発動中に(音楽ゲームの)判定基準を甘くする」といった効果を持ったカードを3-5枚程度組み合わせることで、ゲームを有利に進める。(相乗効果はあまりない。)

 

たしかに「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」ではずいぶん前に新スキルが登場していたが、それでも同じようなスキルを使い回すことに変わりはない。

 

 

www.konami.com

 

 

一方、遊戯王デュエルリンクスのようなカードゲームアプリだと、効果のバリエーションが豊富で、しかもそれを10枚以上組み合わせることができる。他のカードを破壊する効果とそのカードが破壊された場合に発揮する効果、除外する*2効果と除外されている枚数に応じて発揮される効果など、組み合わせは無限大だ。ここでは、組み合わせの例をいくつか紹介したい。

 

 

防御だけで敵を倒す

防御力の強い岩石族

防御だけで相手を倒すことができる。例えば、岩石族という種族には、守備力が高いものが多い。守備力が相手のモンスターの攻撃力より高いと、守備表示(カードを横向き)にしたときに、相手にダメージを跳ね返すことができる。反面、ダメージを与えても相手のモンスターを破壊できない。フィールドに残った弱いモンスターを費用にして、強いモンスターを出されてしまう可能性がある*3

 

守備モンスターで返り討ち

それを解消してくれるのが「カウンターマシンガンパンチ」という永続魔法カード*4だ。このカードは、攻撃してきた相手のモンスターの攻撃力が自分のモンスターの守備力より低かった場合、ダメージを与える処理をした後に、相手のモンスターを破壊してくれる。これによって、相手のカードを破壊できないというデメリットをなくすことができるという優れものである。

 

ブルーアイズもイチコロ

ちなみに、現状、デュエルリンクスに収録されていて、岩石族で最も高い守備力を持つのは、「迷宮壁ーラビリンス・ウォールー」(守備力3000)だ。これは、かの有名な「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)」の攻撃力と同じであり、ギリギリ破壊できない。そんなとき、相手のターンにモンスターの守備力を一時的に高くしてくれるカードがある。「城壁」というカードは、相手のターンでも発動できる罠(トラップ)カードだ。守備力がそのターンの間、500ポイントアップするので、ブルーアイズも破壊できる。

 

相手ターンに一撃必殺

それだけでは終わらない。相手のターンに大ダメージを与えて、運が良ければ一撃で倒せるという方法がある。守備表示の岩石族が相手に与えたダメージが、なんと2倍になるというカードがあるのだ。フィールド魔法*5「断層地帯」は、強い岩石族がいなければ、どうということはないカードなのだが、強い岩石族がいることでバケモノに変貌する。


先ほどのラビリンス・ウォールを使って考えてみよう。相手が一般的な下級モンスター(攻撃力1500を想定)で攻撃してきた場合、1500ダメージを与えることができるが、「断層地帯」の効果でダメージは2倍の3000になる。さらに、城壁を発動することで、守備力が500プラスされるので、1ターンで4000ダメージを与えることができる。これを使えば、CPUキャラクターを一発で倒せるはずだ。

 

デメリットをメリットに 破壊時効果

遊戯王では一見不利に見える条件を強みに変えることができる。例えば、炎属性モンスターには、自分の出している他のモンスターや、そのモンスター自身を破壊してしまう効果がある。一見するとデメリットに感じられるのだが、実は炎属性には破壊した方が強いカードも多く存在している。自身のカードを破壊して、勝利につなげよう。

 

場に出たら仲間を破壊

炎属性の上級モンスターには、費用を支払って召喚する代わりに、費用を支払わずに召喚して仲間のモンスターを破壊する効果を持つものがある。通常、上級モンスターはフィールド上のモンスターを規定の数「リリース」して(旧称:生け贄に捧げて)、召喚することができる。


一方で、上級モンスターの「怨念の魂 業火」や「嚇灼の魔神」は、自分フィールド上に炎属性モンスターがいる場合に手札から呼び出すことができ、代わりにカードに書かれた枚数の炎属性モンスターを破壊する。たしかに、結果論としては同じだ*6。でも、せっかく揃えたモンスターを破壊してしまうなんて、普通に考えればひどい効果である。

 

強い効果と引き換えに自身を破壊

それとは別に、召喚したターンに自身を破壊してしまうカードがある。「爆炎集合体 ガイヤ・ソウル」(攻撃力2000/守備力0)は攻撃力が相手のモンスターの守備力を超えていたら「貫通ダメージ*7」を与えられる上、フィールド上の炎族モンスター*8を2体まで費用にして1体に1000ポイント攻撃力をアップできる。これにより、最大4000まで攻撃力がアップする。ただし、この効果を使っても使わなくても、ガイヤ・ソウルはターン終了時に破壊されてしまう。攻撃に失敗したら自滅してしまう残念なカードだ。


炎属性の破壊時効果

前述の通り、炎属性には、こうしたデメリットをメリットに変えられるカードが存在している。例えば、「ウォーム・ワーム」は自身が破壊されたときに、相手のデッキの上から3枚を墓地に送る能力を持つ。デッキを捨てさせる効果としては、デュエルリンクスの中では最高級である。


同様に、「火口に潜む者」も破壊時効果を持っている。このカードが破壊されたとき、レベルを問わず炎族モンスターを手札から特殊召喚できる。星6で攻撃力2200の「ビッグバン・ドラゴン」を召喚することも可能だ。残念ながら、炎族には「特殊召喚できない」(と書いてある)カードもある。だが、炎族の「炎を支配する者(フレイム・ルーラー)」という、炎属性をアドバンス(生け贄)召喚する際に2体分のリリース(生け贄)になってくれる強力なカードも存在する。相手のターンに特殊召喚して、上級モンスターの召喚につなげよう。


炎属性一番のとっておきは、モンスターが効果で破壊された回数×1000ポイントのダメージを与えるカードだ。「キックファイア」はモンスターが効果で破壊された回数を1ターンに1回だけ記録できる。任意のターンにこのカードを墓地に送って、記録された回数×1000ポイントのダメージを相手に与えるという強力なカードだ。

 

破壊する効果でサポートしよう

炎属性以外にも、モンスターを破壊することを条件に効果を発揮するカードは存在する。「本陣強襲」は自分フィールド上のモンスターを1体破壊して、相手のデッキの上から2枚を墓地に送る。「ジェネレーション・チェンジ」は自分のモンスターを1体破壊して、同じな名前のモンスターをデッキから1枚、手札に加えるカードだ。


前述の「ウォーム・ワーム」を使うときに効果を高めてくれるのが、「リグレット・リボーン」という蘇生効果を持つカードである。このカードは戦闘で(×効果で)破壊されたカードを守備表示で呼び戻す。この効果が続くのは次の自分のターンまでで、そのターンが終わると破壊される。勝手に破壊してくれるので、自動的にもう3枚相手のデッキを墓地に送ることができるのだ。もちろん、前述の自分のモンスターを破壊してしまうモンスターもあるので、そうした破壊する効果をうまく使って、相手を苦しめよう。

 

補足:水属性の破壊時効果

実は水属性には、墓地に送られたときに相手の攻撃力を下げてくれるカード「ハリマンボウ」がある。魔法カード「大波小波」は場の水属性モンスターをすべて破壊して、同じ数まで手札から水属性モンスターを呼び出せる。この効果を利用すれば、相手のモンスターを弱体化させつつ、自分は強い水属性モンスターを場に出すことができる。こちらの場合は、同じ数まで出せるので損した感はない。

 

コンマイ語がわかりづらいという弱み

この記事を書いている途中でも思ったが、遊戯王の効果は素人には読みづらい(通称・コンマイ)。処理の順序(〜する。その後、……)と効果発動の条件(〜のとき、……)は違うし、「破壊する」と「墓地に送る」と「捨てる」は違う*9。マナー教室や国語の先生でも遊戯王カードの読解は難しいだろう。だが、デュエルリンクスのオート操作はその処理を全部自動でやってくれる*10ので、デッキだけ考えればそれでよい。

 

うまくつながるデッキを考えて、心地よいまでに相手をノックアウトするというのが遊戯王やデュエルリンクス、ひいてはすべてのカードゲーム・カードゲームアプリの醍醐味だ。普通のスマホゲームの思考停止に飽きたら、カードゲームアプリに挑戦してみるのもよいかもしれない。

 

 

 

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*1:デュエルリンクスにはプレイヤーキャラクター側に「効果」とは別の「スキル」というものが設定されているため、ここでは遊戯王に合わせて「効果」と呼ぶ。

*2:遊戯王において「除外」とは、墓地ではない場所にカードを置いて使えなくする行為である。しかし、実際にはフィールド上に呼び戻すカードもあるので、使えなくなるわけではない。

*3:逆に、相手に強いモンスターがいなければ、弱いモンスターしかいないこう着状態に持ち込むこともできる。すると、デッキ(山札、カードの束)が先に切れた方が負けになる。

*4:1回出すと破壊されるまでなくならない。

*5:自分フィールドに1枚だけ置ける。以前は全フィールドに1枚だけだったが、ルール改正で2人とも置けるようになった。

*6:実は同じではない。フィールド上に3枚カードがあるとき、こうした効果を持つモンスターは、効果ではフィールドに出せない。その場合は、正規の手順で召喚しなければならない。リリースは破壊ではないので、後述する破壊時効果は使えない。

*7:通常、守備表示モンスターは強いモンスターに攻撃されても、破壊されるだけでダメージを受けない。しかし、攻撃力が守備力を超えていたらその数値分だけダメージを与える、という効果がついていれば、ダメージを与えることができる。

*8:炎族は炎属性と違う。炎属性が3年だとしたら、炎族はB組。区分けの仕方が違うのだ。

*9:「破壊する」と「捨てる」は、基本的には両方とも「墓地に送る」を含んでいる。墓地に送られる効果は「破壊」や「捨てる」を含まない。ただし、墓地に送るはずのカードを除外するカードが発動していた場合、墓地に送れないので、墓地に送る効果や墓地に送られたときの効果は発動できない。

*10:ただし、人間ならできる操作が機械にできていないケースはまだまだある。

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