2つの新イベントについて
異次元の塔 炎の章
遊戯王デュエルリンクスで現在開催中のイベント「異次元の塔 炎の章」。
炎属性のモンスターを基軸としたデッキを使うNPC(ノンプレイヤーキャラクター)と対戦しながら、塔の最上階を目指すというイベントだ。
デュエルに勝ち続ける限り、永遠に挑戦し続けられるのが特徴である。
決闘年代記 王国への船出
上記のイベントは普段と趣向を変えているが、最近、もうひとつ趣向を変えたイベント「決闘年代記 王国への船出」があった。
これは、通常のデュエルでサイコロを集めながら、すごろくをして、専用のキャラクターと対戦するという形式のイベントである。
イベントは改善されたか?
いずれのイベントも以前と格段に違う難易度で展開され、上級者にはうれしい内容だったはずだ。
一方で、勝利した際の報酬やイベント専用ガチャの登場で限定カードがもらいやすくなった。
イベントの内容には賛否両論あると思うが、私はおおむねよかったと思う。一応は、お金を払った人がきちんと対価を得られるようになっていると思う。
この記事では、デュエルリンクスのイベントがよくなったかについて、私の意見を書いていく。
楽しいデッキ構築?
上記に挙げたイベントで、以前のイベントと大きく異なる点は、複数のキャラクターが登場する点だ。イベントに登場するキャラクターは別々のデッキを使うため、それぞれに勝てるデッキを作る必要がある。
勝てるデッキを作ること自体には、私は不満はない。「◯◯族にはこのカードが有効だ」「キーカードを封じれば勝てる」など、試行錯誤してデッキを作ることは楽しい。
メタデッキの量産
しかし、そうしたデッキばかりになると、デュエルはつまらなくなる。例えば、現在(2017/9/27)、各キャラクターごとに、最大4つまで無料でデッキを組むことができる。
「王国の船出」では、「闇遊戯」と「城之内克也」を使うという制約があるため、4つのデッキ枠が全部メタデッキ*1で埋まるユーザーもいたはずだ。
ノルマ達成用デッキ
「炎の章」においても、イベントで獲得できるカードをデッキに入れて勝つというノルマがあった。
「炎の章」の場合は、キャラの制約がなく、炎属性に対抗するためのデッキを使い回すこともできたので、デッキ枠がメタデッキで埋まることはなかった。
しかし、ノルマ達成のための制約が多く、自分の好きなカードで勝つということがしづらかったというのが、私自身の実感だ。果たして、こんなデュエルを楽しいといえるだろうか?
汎用性のあるデッキを
私が今回のイベントで使っていたのは、カウンター罠を使った際に特殊召喚できるモンスター。相手のキーカードの発動を無効にし、次のターンの反撃につなぐことができる。
融合・儀式召喚のノルマは達成できないが、勝った時の爽快感は素晴らしかった。そうした強くて楽しいデッキで勝つことも重要ではないかと、私は思う。
「走り続ける」ことは正義?
多分、「炎の章」の狙いは、大量のイベントポイントを獲得するために「走り続ける」ことをやめさせることにあると思う。
従来のイベントでは、通常のデュエルにおいてアイテムを獲得し、そのアイテムを使ってイベントキャラクターに挑戦する。たくさんデュエルをした人がたくさんポイントを手に入れられるゲームだった。
普通の人は走り続けられない
一見、そうしたイベントを遊び続けてくれるユーザーは、優良ユーザーに思える。しかし、売り上げのことを考えれば、お金を落とさずに延々と遊び続ける人は迷惑なのかもしれない。
売り上げを念頭に置くと、メインターゲットは、通勤通学や寝る前などのスキマ時間にプレイする学生や会社員であると考えられる。
彼らは、イベントを走り続けられない。そのため、通常のデュエルをせずにイベントのデュエルに挑戦できる「炎の章」は、彼らにとってよいイベントだと思う。
前述の通り、「炎の章」では、ライフポイントが0になるまで、何度でも挑戦できる。(負けると、ライフポイントが4000に回復するまで、挑戦することができなくなる。)
一度負けると、3時間半も挑戦できないという難点はあるが、学生や会社員にとってはちょうどよいルールだろう。(オンライン対戦の報酬で、回復アイテムが獲得できることを付記しておく。)
誰でももらえるイベント報酬は甘え?
達成度に応じて、イベント報酬のレアカードがもらえるのは、ある意味でやさしすぎる仕様なのかもしれない。
だが、本来の客をつなぎとめるためには、そうした救済が必要だ。
もらえなかった人への救済
デュエルリンクスでは、基本的に、ドロップ(ランダムにごほうびがもらえる)しなかった報酬はもらえないことになっている。
しかし、途中からイベントカードの交換所ができ、あるいはデュエルの回数に応じてカードをプレゼントするようになった。
「炎の章」の目玉カードは完走した際に1枚もらえるだけだった。これも、たくさん遊んだ人がたくさんもらえる状況を避けたのだろう。
クリアのハードルを上げる代わりに周回をせずに済むようにしたのは、よい改善である。
勝てない人はどうなるのか?
ここで、大事な前提を忘れてはいけない。報酬をもらうためには、勝つ必要がある。以前の記事でも指摘したが、遊戯王はお金を払ったからといって、勝てるわけではない。
今回の敵はレベル10であってもそこそこ強かったので、塔の最上階にあたる30Fに到達できなかった人もいるのではないだろうか?
クリアさえすれば誰でももらえるのであっても、クリアできないのであれば、意味がない。課金して強いカードを手に入れれば勝てるというわけではないので、難易度を下げる必要がありそうだ。
遊戯王GXがついに登場
まもなくサービス開始から1周年を迎える遊戯王デュエルリンクス。ついに、遊戯王シリーズ3作目の『遊戯王デュエルモンスターズGX』のキャラクターが登場する。
キャラだけでなくマップも増えるようなので、リリースが楽しみだ。
*1:特定のカードに対抗するためのカードを集めたデッキ。