3周年 急がれる大衆化
「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」(デレステ)がサービス開始から3周年を迎えた。
「アイドルマスターシンデレラガールズ」(デレマス)は6年以上の歴史を誇るコンテンツで、キャラクターが180人以上いる。
そういう背景を提示されると、新しくプレイするのが億劫(おっくう)になる。
このまま進むと、オタク専用みたいになってしまう。
新規客の獲得のためにも、デレステには大衆化が求められている。
なぜ「レッツリズム」なのか
最近まで、デレステのキャッチコピーは「デレステでレッツリズム!」だった。
プロデューサー(プレイヤーの総称)であれば、この文句がおかしいと思う人も多いのではないだろうか?
このゲームはアイドルをプロデュースすることが趣旨のはず。
リズムゲームの要素を主張するのには違和感がある。
歴史とアイドルの数に目をつむる
しかし、大衆化を考慮すると、このキャッチコピーには納得がいく。
単なるリズムゲームであることを強調し、180人のアイドルと6年の歴史には目をつむる。
そうすることで、新規客がプレイしやすいようにしたのだ。
数々の番組に出ている中居正広さんをCMキャラクターに任命し、大衆が親しみやすいゲームを目指した。
そして、今月から人気男性デュオの「ゆず」がCMキャラクターとなった。
最近まで「デレステでレッツリズム」というキャッチコピーを使っていた。
大衆が新規参入しやすいよう、リズムゲームの要素を強調する意図があった。
「バンドリ!」というライバルの登場
アイドルゲームであるデレステのライバルは「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」かと思われていた。
しかし、バンドをモチーフにしたリズムゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ」が登場した。
デレステのようなダンスCGがないにも関わらず、人気をかっさらっていった。
デレステがイベントでやっていた協力ライブを常設にするなど、デレステより優れている面もあった。
カバー曲で遊べる
そんなバンドリの大衆化を後押ししているのが、カバー曲の存在だ。
バンドリは、L’Arc-en-Cielやモーニング娘。を含む人気楽曲のカバーを収録している。
広告などでも、かわいい女の子のキャラではなく、カバー曲を一覧で紹介するものが多い。
大手の音楽ゲームはオリジナル曲が多く、何も知らないプレイヤーは遊びづらい。
だが、「太鼓の達人」などは人気楽曲をそのまま収録し、その曲で遊べることをウリにしている。
CDを売りたいレコード会社の思惑を汲んだ結果、カバー曲という形に収まったのだろう。
知らないカバー曲も多いが、オリジナル曲と同様に遊べるので問題はない。
ゆずカバーの登場
3周年を記念して、デレステで初めてとなる人気楽曲のカバーが収録された。
ゆずの「夏色」と「サヨナラバス」が遊べるようになった。
ゆずといえば、オリンピックのテーマソングなども務める国民的アーティスト。
新規ファンは獲得できるのだろうか?
「バンドリ!」はカバー曲で遊べることを前面に出した大衆向けゲームである。
デレステもゆずのカバー曲を導入し、新規プレイヤー獲得を狙う。
脱「オタク向け」へ
ゆずのファンは女性ではないのか?
中居正広さんとゆずのおふたりがCMに出ることについて、疑問がある。
中居さんもゆずも女性ファンが多いのではないか?
だが、女性客も取り込んでこその大衆化だと私は考える。
主人公のプロデューサーは男性という設定だが、男性になったつもりでプレイする女性もいる。
プロデューサーがアイドルを導くという設定だが、アイドルに自分で考えさせるというストーリーも多い。
ちょっと女性差別的かなと思う描写もあるが、リズムゲームをプレイする分には問題ないだろう。
ストーリーを読破する必要はない
サービス開始から4年目ということもあり、星の数ほどのストーリーが誕生している。
キャラを知るため、曲を解放するため、無償のスタージュエルを手に入れるためには、ストーリーを読む必要がある。
しかし、一部のストーリーはスキップすることも可能だ。
ストーリーは読みたいときに読めばよい。
オート再生することもでき、選択肢のタップ以外は自動で流せる。
全てのキャラを知らなくてもよい
180人以上いるアイドルを覚えきれるのかという心配もあると思う。
だが、私も全員のプロフィールを把握しているわけではない。
私としては、たまたま手に入れたアイドルを理解していくだけでもよいと思う。
ネット上には「ライブイベントで『◯◯ちゃん担当です』と自己紹介したら、相手が彼女を知らなくて怒りを覚えた」という書き込みもある。
でも、「ファンはなんでも知っているべき」という思考はやめたほうがよい。
ご新規さんが入りにくくなる。
「担当」はいなくてよい
上にも書いたように、プロデューサーは「◯◯担当」を自称することがある。
これは他の作品でいうところの「◯◯推し」に当たる。
ゲーム内の「称号」にも◯◯担当があるが、担当を1人に決める必要はない。
ゲームを始めたら、当分は手持ちの中で最強編成を作り、プレイしていけばよい。
担当を名乗るのにカードを全部持っている必要はない。
グッズなどを買う必要もない。
好きなアイドルの担当を名乗りたいなら、名乗ればよいと思う。
主人公は男性という設定だが、女性でも遊べる。
全てのキャラを知らなくてもよいし、「担当」を決めなくてもよい。
プロデュースに命をかける必要はない
担当のために何十万円を使うプロデューサーがいるのはたしかだ。
でも、彼らは絶対でも模範でもない。
何かを好きであることは個人の自由である。
どうぞ自分の好きなようにゲームを楽しみ、好きなようにCDやスタージュエルを買ってほしい。
好きのあり方を押しつけるようなプロデューサーにならないことをお願いしたい。