ゲームの無理な話

ゲームに関する話題をまとめていきます。ゲームのシステムについての話や、ストーリーがあるものについてはその中身も扱う予定です。

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【デレステ】歌詞が歌い手の名前に カバー曲の改変はどこまで許される?

歌詞を変えて曲を売るには、著作者人格権の権利者の許可が必要。

Photo by rawpixel on Unsplash

 

著作者人格権:楽曲に込められた想いを変えられない権利

音楽ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)」で、以下の楽曲がカバー曲として配信された。

 

  • T.M. Revolution「HOT LIMIT」
  • ももいろクローバーZ「行くぜっ!怪盗少女」

 

それぞれ、歌詞中の人物名がキャラクターの名前に変更されている。

「それって大丈夫なの?」と思った人も多いのではないだろうか?

 

結論から言えば、問題ない。

 

 

 

 

プリティーシリーズ「EZ DO DANCE」の場合

『プリティーリズム』『KING OF PRISM』シリーズでは、TRFの「EZ DO DANCE」を数回カバーしている。

その曲の中にラップがあるのだが、歌詞が変わっている。

 

原曲でグループ名の「TRF」を含んでいる部分を、カバーするグループ名・キャラクター名に歌い変えた形だ。

その他、女の子に歌わせたくない歌詞を別の詞に改変したと思われる部分もあった。

 

そもそも、これらの作品はTRFとコラボしている。

つまり、本家のお墨付きを得ていたから大丈夫だったのだろう。

 

著作者人格権がポイント!

実際、JASRACのウェブサイトでも、権利者に直接許可をとる必要があると書かれている。

本人が楽曲に込めた想いや意図(著作者人格権)を害さないように、歌詞を変えなければならないのだ。

 

参考:

著作権と利用手続き JASRAC

 

今回、デレステで歌詞を書き換えたのも、作詞者やカバー元の出版社の許可をとったものと思われる。

一般視聴者には「歌詞を変えたことで雰囲気を損ねた」と思う自由はあるが、やめてと言うのは難しい。

 

著作権や著作者人格権の権利者に許可をとれば、歌詞を変えて出版することが可能。

 

原曲にラップなどが加えられるケースも

歌詞を変える以外に、歌詞を加えるというケースもある。

 

 

KAMEN RIDER GIRLSの「LET’S GO RIDER KICK 2011」(『仮面ライダー』主題歌のカバー)では、男性によるラップが追加された。

同じく「KAMEN RIDER V3」でも、間奏に英語の口上が入っている。

 

やはり、仮面ライダーシリーズの公式企画であり、歌詞を加えたことに問題はない。

(歌詞を加えるのも、許可を取ればOK。)

 

「おふくろさん」問題:作詞家に怒られる

一方で、著作者人格権を侵害してしまった有名なケースに「おふくろさん」問題(2007年)がある。

 

歌手の森進一さんが楽曲「おふくろさん」に歌詞を加えて歌ってしまったことによる騒動だ。

作詞家の許可はとっておらず、作詞家とその家族を巻き込んだ大騒動になった。

 

作詞家・作曲家・編曲家には、自分の意図に合わないアレンジを拒否する権利がある。

人が歌詞に込める想いはさまざまであり、それに自分の想いを塗りたくる行為は許されないのだろう。

 

ニュアンスを変えない良改変

今回のデレステのカバーで、歌詞中の人物名がキャラクター名に変わったのは、作詞者の利益を損ねにくい良改変だと考える。

 

変わったのは歌い手と、楽曲を取り巻く文脈だけ。

元の歌詞の雰囲気にプラスして、そのキャラクターが歌う意外性やキャラクター自身の雰囲気も楽しめる。

単なる「カラオケ」になっていないところがよいと思う。

 

反面、人物名以外の部分を一切いじっていないので、歌詞の趣旨はまったく変わっていない。

彼女たちは原曲と同じ想いを歌う。

だから、出版社・作詞者・原曲のファンにも理解を得られやすい作品に仕上がっている。

 

オリジナル曲にも注目

ところで、「アイドルマスターシンデレラガールズ」に関しては、オリジナル曲も忘れてはいけない。

 

『天城越え』の作曲家・弦哲也さんが楽曲提供するなど、力が入っている。

クリエイター集団「MONACA」の楽曲は、子ども向けの「アイカツ!」シリーズでも評価が高い。

 


歌詞についても、シンデレラというモチーフを逆手に取って、自立した女性を描く曲が増えてきている。

 

みんなが知っている曲をプレイできるゲームもよいが、ぜひオリジナル曲にも注目してほしい。

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