ゲームの無理な話

ゲームに関する話題をまとめていきます。ゲームのシステムについての話や、ストーリーがあるものについてはその中身も扱う予定です。

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【デレステ】楽曲はどのように話題になったのか?

イベント・ショートアニメ デレマス音楽はますます盛り上がる

アイドルマスターシンデレラガールズの界隈で、音楽が盛り上がっている。

2020年11月には、アイマス全体の音楽を扱ったラジオ番組があった。

 

シンデレラガールズ全体としては9周年を迎え、リズムゲームアプリ「スターライトステージ」も5周年を迎えている。

シンデレラガール総選挙の楽曲も解禁されており、その勢いは衰えない。

 

さて、スターライトステージ(以下、デレステ)では、さまざまな楽曲を配信している。

それと同時に話題を提供し、ネットを席巻している。

 

デレステは楽曲発表において、どのような施策を採ってきたのか?

振り返っていきたい。

 

 

 

 

楽曲発表の場としてのデレステ

デレステには数え切れないほどの楽曲が実装されている。

ときには、なんの脈絡もなく追加される楽曲もある。

 

一方で、定期的に、戦略的に実装される曲も多い。

  • ゲーム内イベント
  • ショートアニメ

この2つは、楽曲発表の場としてユーザーから注目されている。

 

ゲーム内イベント:ユニット曲の発表も

他のリズムゲームと同様、ゲーム内イベントで楽曲を発表する。

 

2019年には、新キャラクターがいきなり新曲を携えて登場し、話題になった。

既存のゲーム内アイドルユニットについて、実際に曲を作る場合もある。

新しいユニットを結成して、あるいはキャストの都合の合うキャラを集めて、曲を歌わせたこともあった。

 

イベント曲は何回もプレイする楽曲。

故に、ユーザーの耳に残りやすく、宣伝効果は抜群だ。

 

ショートアニメ:特殊エンディング

ゲーム内にて、ショートアニメを公開している*1

 

ミニキャラによるストーリーと、エンディングテーマで構成される。

5人程度のメンバーが歌うもので、発売前にはゲーム内イベントでも使われる。


エンディングテーマは定期的に変わるが、「特殊エンディング」もある。

個別のキャラソンがリリースされていないキャラが、ソロ曲を歌う。

 

従来のソロ曲は、事前に製作が発表されることが多かった。

アニメの曲は完全にサプライズなので、より話題性が高い。

 

通常のソロ曲は、長めのストーリーとともに、ゲームに実装される。

アニメソロ曲は、代わりに本人のメッセージ(声付き)がゲーム内で配信される。

曲が流れるのは本人のお当番回なので、必ずしも手抜きとか不公平ではない。

 

話題性の高い音楽

有名クリエイターの起用

では、実際にはどのような曲が話題になっているのか?

 

例えば、有名クリエイターの起用が話題になることもある。

ときどき、ゲーム用楽曲ではありえないほどの有名人を持ってくる。

音楽スタッフの本気が伺える。

 

「ヒーローヴァーサスレイナンジョー」では、特撮界のレジェンドが集った。

  • ゴレンジャーなどで作曲 渡辺宙明
  • 仮面ライダーシリーズで作詞 藤林聖子
  • スーパー戦隊シリーズで編曲・作曲 大石憲一郎

の3氏による豪華な内容となった。

 

なお、シンデレラガールズの楽曲は日本コロムビアから出ている。

スーパー戦隊や、かつての仮面ライダーシリーズと同じレコード会社である。

もともとそちらの関係者がつくった曲が多い。

 

いずれにしても、コネを活かした価値の高い楽曲はユーザーから高く評価されている。

大物をすんなり呼んでしまえるフットワークの軽さは、老舗ならではだ。

 

歌割りが異なる音源

ゲーム内と歌割りが異なるものも音源化される。

この記事を書いているときは、CD化される曲の試聴が始まっていた。

かわいらしいイメージのキャラが、大人っぽい歌詞のパートを歌うとして話題になっていた。

 

もちろん、ゲーム内音源はゲーム内音源で、よいものになっている。

かわいらしいキャラが、かわいらしい歌詞のパートをかわいらしく歌う。

この曲は、ゲーム内での発表当時も話題になっていた。

 

異なる歌割りの音源で、2回話題になる*2

まさに一粒で二度美味しい作品である。

リズムゲーム内で楽しみが完結しないという点では、ビジネス的にも評価できる。

 

キャラクターによるカバー曲

J-POPやアニソンなどのカバー曲がゲーム内で配信される。

カバー企画は、従来から存在していた。

有名アーティストのCM出演をきっかけに、それがゲーム内でもプレイできるようになった。

 

既存の音源だけでなく、新しく収録された曲もある。

順次、イベント曲のCDに収録される。

 

カバー曲の発表を伴うコラボキャンペーンも行われている。

最近では、DJ KOOコラボと題して、TRFの楽曲カバーを配信した。

このときはDJ KOO氏がリミックスしたメドレーも配信され、話題になった。

 

ミュージックビデオの話題

デレステではリズムゲームをプレイする際、背景にミュージックビデオ(MV)が流れる。

キャラの3Dモデルが歌ったり、踊ったりする。

バラエティに富んだMVは、音楽とともに話題になることが多い。

 

特殊な演出:190人のキャラ別も

イベント用楽曲では、ダンス以外に特別な演出がつく場合がある。

 

5周年記念の楽曲 Go Just GoのMVでは、キャラごとに個別の演出がついた。

MVは好きなキャラに差し替えられるため、実に190もの演出を作ったことになる。

このときはギターやドーナツなどの小物も作られていて、本気度が高かった。

 

2DリッチMV:ストーリー仕立てのアニメ

MVは3DCGだけではない。

イベント曲では、2Dアニメ調のMVも同時に作られる。

好きなキャラは使えないが、歌唱メンバーによるストーリー仕立てになっている。

 

通常はイベントが終わったあとで実装される。

3DMVで盛り上がったあと、少しテイストの違う2DリッチMVで盛り上がる。

ゲーム内イベントが終わっても、楽曲の話題は尽きないのだ。

 

ちなみに、ミニキャラが動くだけの2DMVもある。

そちらと区別する意味で、2Dリッチという名前がつけられている。

 

デレマス音楽の今後

発表済み楽曲の扱い

デレマスの楽曲は、デレステだけではない。

季節を歌った曲などで、デレステに実装されていないものがある。

それをいつ実装するかが問題になる。

 

音楽を売り物にする以上、新曲も出していかなければならない。

一方で、既存曲を収益につなげるためには、ゲーム内イベントやMVの実装が不可欠だ。

リソースには限界があり、両方をバランスよく進めるのは難しい。

 

(2020年11月には、発表済み楽曲「さよならアンドロメダ」がイベント曲として実装された。)

 

リズムゲームという限界

リズムゲーム前提が故の課題もある。

 

第一に、メッセージ性・物語性の強い楽曲が実装しづらい。

2分あまりの尺の短さでは、ストーリーの全貌を表せない。

ファンは実装を待ち望んでいるが、ゲーム尺では楽曲の価値が下がってしまう。

 

第二に、リズムが複雑な楽曲を使いづらい。


レコード会社が価値の高いさまざまな音楽を届けたいというのは、上で説明したとおりだ。

しかし、フォーク調の曲やリズムが一定ではない曲は、どうしても難易度が上がってしまう。

このように、クリエイターやレコード会社とは利害が衝突する部分も大きい。

 

無意味な制限に対する挑戦

デレステでは「ゲーム性」のためか、意味のない制限が課されていた。

それをなくしていこうと、日々努力している。

これは、音楽のためでもある。

 

  • 特定の曜日しか遊べない楽曲
  • イベント限定曲は時間を置いて「本実装」
  • 高難易度MASTERをクリアしないとMVを見られない制限

など

 

これらは、ゲーム運営のプライドを保つために重要だったかもしれない。

だが、ユーザーにとっては必要ない。

 

今では、イベント曲を数ヶ月以内に発売するなど、改善されている*3

ただ、ムダはまだまだある。

例えば、代表曲「おねがいシンデレラ」のソロバージョンは、特定のカードを持っていないと遊べない(2020年11月時点)。

 

無意味な制限に対する挑戦に、終わりは来るのだろうか?

*1:毎週火曜日15時更新。デレマスでも同時に配信している。

*2:3回目の話題もある。発表済みのイベント曲の一部に、うたいわけ機能が実装されている。歌唱メンバーの立ち位置を入れ替えると、そのキャラの声で該当するパートを歌う。好きなキャラがセンターではなかった場合でも、センターにして歌わせることが可能だ。中には、歌詞の一部が変わる曲もある。

*3:1年越しで発売される曲も多い。

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