フォトカツでシナリオを読もう
「アイカツ!フォトonステージ」の定期アップデートが行われ、シナリオがいくつか追加された。星のツバサ2も公開されている。
星のツバサ編
フォトカツで読める『アイカツスターズ!星のツバサ編』のシナリオは、アニメ本編の裏話として展開されたものだ。
プレイヤーキャラクターが豪華客船型アイドル学校「ヴィーナスアーク」に留学するという設定で、アニメ本編の話を別の視点から語ったり、後日談を描いたりする。
『アイカツスターズ!』のシナリオはもともと、アニメ本編のエピソードの後日談を描くことが多かったのだが、星のツバサ編ではそれ以上に本編に密着した内容である。
フォトカツ シナリオの魅力
ところで、フォトカツのシナリオはフルボイスではなく、読みづらいイメージがある。しかし、フォトカツの文章は面白くて、読み応えのあるものも多い。
わちゃわちゃしたものや、ほっこりするもの、ぶっ飛んだものなど、バラエティに富んでいる。皆さんには、ぜひフォトカツのシナリオを知ってほしい。
ここでは、新しく公開されたシナリオを例にとりながら、シナリオの魅力を紹介したい。
わいわい系
服部ユウの旅番組にみんなで出演する話
今回のアップデートで復刻した8月のメドレーイベントのエピソード。スペシャルおでかけ(イベントガシャ)の目玉であった服部ユウを中心に、物語が展開された。
フォトカツでは、スペシャルおでかけおよびイベント報酬で登場するアイドルを全員登場させる。そのため、キャラクターがたくさん登場するわいわいしたものになりやすい。
イベント用のシナリオでは、みんなでイベントの準備をするというものも多く、10月の新曲イベントもそのような内容だった。毎月が文化祭のようなものである。
頭のネジが外れたもの
プレイヤーキャラクターが高性能コンピュータ「ヴィーナスアークブレイン」と対決する話
高性能コンピュータ「ヴィーナスアークブレイン」。「ライブシミュレーション」の腕を試すため、プレイヤーに立ちはだかる。
ヴィーナスアークの目玉レッスン「エルザサイズ」をサポートするシステムに、プレイヤーは勝つことができるのだろうか?
……普通に考えれば、アイドルもので人工知能と対決するなどあり得ない話で、フォトカツの狂気を体現したようなエピソードだ。
「ヴィーナスアークブレイン」もアニメ本編には登場していないもので、シナリオライターが暴走していることが手に取るようにわかる。
感動系大作
- 花園きららが小動物を保護したことをきっかけに、弱肉強食について考える話
- 25代S4と26代S4のバトンタッチ
これらのシナリオは、フォトカツの光の部分だと言えよう。
1つ目は、アニメ本編できららが「アイドル界は弱肉強食」と言ったことに起因する話。ネコに襲われているネズミを助けたきららは、自然界のルールに思いをはせる。
2つ目は、四ツ星学園25代S4と26代S4が7人でCMを撮るという話。二階堂ゆずは上級生として26代S4を引っ張っているが、25代S4だった高校1年生から見れば後輩。
25代の仕事ぶりを見た26代の3人は、ゆず先輩のことについて先代の3人に質問する。先代からは意外な答えが返ってきて……
こうしたシナリオを読むと、『アイカツ!』や『アイカツスターズ!』のアニメを観ていてよかったなと思える。たまにはギャグもあってよいと思うが、こうしたエピソードも必要だ。
パロディ
- 「情熱ハラペーニョ」の2人がスターライトクイーン寮「あかりちゃんち」をリフォームする話
- 紅林珠璃と新条ひなきが入れ替わる話
感動できるエピソードとは正反対の内容。スターライトクイーン寮のレッスン室の床*1を新調する話は、よくOKが出たと思う。
入れ替わりの話は、「君の名は」のヒットを受けたパロディである。最後まで読むと、『アイカツ!』の世界観を壊しておらず、誰も傷つけていないことがわかる。
アイカツシリーズに関わる以上、シナリオライターには、アイカツの世界観や雰囲気を理解し、ファンが傷つくことのないシナリオを書いていただきたい。
「プリキュア つながるぱずるん」では、アニメに関わったスタッフによるチェック体制ができているようだが、アイカツシリーズのスタッフにおかれても、それを徹底していただきたい。
スマホゲームでもアイカツ!
『アイカツ!フォトonステージ』では、アニメの本編を活かしつつ、バラエティに富んだシナリオを展開している。
一部に気分を害するシナリオがあるのも事実だが、『アイカツ!』(無印)の展開を継続し、現行の『アイカツスターズ!』の内容を補完してくれるだけでも、非常にうれしい。
報酬の獲得や楽曲の解放のためにシナリオを飛ばしている人も、ぜひ一度目を通してほしい。
*1:先代スターライトクイーンの神崎美月は、床が削れるまで猛練習した。この床はスターライトクイーンが負う使命の重さを象徴している。