結婚相手や仲間モンスターを自由に選べるゲーム スマホ版も
映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が公開された。
この映画は「ドラゴンクエスト5」のゲームを原作としていて、その世界をフルCGで描く。
この記事では、原作ゲームと映画の紹介をする。
原作「ドラゴンクエスト5」 主人公の人生を描く
ドラゴンクエストといえば、主人公が魔王を倒すために冒険するロールプレイングゲームである。
それぞれに別の主人公がいて、別々の仲間たちがいる。
中でも、「ドラゴンクエスト5〜天空の花嫁〜」は、全編にわたって主人公(男性)の人生を描いている。
今作では、結婚相手を自由に選べる他、子どもを儲け、ペット(モンスター)を飼うことも可能だ。
ゲームはニンテンドーDSでリメイクされ、スマートフォン用に最適化されたアプリも有料で配信されている*1。
気になる方はぜひプレイしていただきたい。
仲間モンスター 高すぎる自由度
ドラクエシリーズには、さまざまなやり込み要素がある。
他のドラクエシリーズには
- 好きな職業を極められる転職システム
- 好きな武器の技を極められるスキルシステム
などもある。
ドラクエ5では、好きなモンスターを仲間にできる*2。
しかも、モンスターの覚えられる技や装備できる武器などが、それぞれ異なる。
- 幼少期に仲間になる「キラーパンサー」
- 青年期序盤から活躍する「スライムナイト」
をはじめとして、50以上のモンスターを仲間にできる。
最大7人程度の仲間がいる他のドラクエシリーズに比べて、自由度がとても高い*3。
こうしたモンスターの育成要素は、「ドラクエモンスターズ」シリーズに受け継がれた。
育成要素は、今やドラクエシリーズの一翼を担っている。
天空3部作の2作目 主人公は勇者ではない
ここからは、ドラクエ5のストーリーについて。
ドラゴンクエスト5はドラゴンクエスト4の続編で、天空3部作の2作目である。
天空シリーズでは、天空の城とそこに伝わる武器・防具を中心に物語が展開する。
続編といっても、ドラクエ4の時代から相当の時間が流れており、つながりはほとんどない。
ドラクエ4を遊んでいない方も楽しめる内容となっている。
ところで、ドラクエ5の主人公は勇者ではない。
伝説の「天空装備」は装備できず、勇者特有のじゅもん・とくぎも使えない。
そんな彼は家族との絆や、持ち前の魔物使いの才能を活かして、魔王に立ち向かう。
「ドラゴンクエスト5」は家族の絆をテーマにしている。
好きなモンスターを仲間にできる。決まった人間キャラが仲間になる他作品よりも自由度が高い。
「ドラゴンクエスト4」の続編だが、登場人物などのつながりはほとんどない。
ドラゴンクエスト5の大まかなあらすじ
幼少期:秘密の冒険 父との死別
主人公・アベルは、地域で強い信頼を得ている男性・パパスの息子。
幼いアベルは、父の用事のため、さまざまな場所を訪れる。
パパスの目を盗んで冒険しながら、アベルは成長していく。
そんな折、モンスターの卑劣な作戦により、パパスは命を落とす。
アベルも奴隷として、モンスターに拘束される。
青年期:結婚 出産 魔王討伐
大人になったアベルは脱走し、自由の身となる。
世界のどこかで生きているという母を探し、旅をする。
その道中、パパスの友人の娘との縁談*4があり、結婚する。
結婚相手は
- 良家の令嬢・フローラ
- 主人公の幼馴染・ビアンカ
- フローラの姉・デボラ
から選べる。
選んだ相手によって能力が異なり、子どもの髪の色も変わる。
この選択は、ドラクエ5最大のイベントである*5。
プレイヤーの間では、誰と結婚するかで派閥が分かれている(男女問わず)。
デボラはDSリメイク版で追加されたが、やはりDS以降の世代から支持されているようだ。
その後、2人の子どもを儲けるが、夫婦は魔物によって石にされてしまう。
大きくなった子どもたちは、夫婦の石化の呪いを解く。
一家は力を合わせ、魔王に挑む。
アベルは亡き父の遺言により、母の行方を探す。
その途中で、3人の女性の中から1人を選び、結婚する。
家族の絆で困難を乗り越えながら、魔王と戦う。
映画と原作の違い
物語の目標は原作と同じで、パパスを殺害したモンスター「ゲマ」の討伐だ。
しかし、映画の尺は2時間しかない。
一部の主要な登場人物が省略されており、一部の出来事の因果関係が変わっている。
登場人物のアイデンティティに関する大きな変更もあった。
いわゆる「良改変」はあるものの、原作を愛する人からは怒りの声も上がっている。
原作を遊んでから、違いを確認するのもよいのではないか?
モンスターやじゅもんをフルCGで再現
ドラクエシリーズでおなじみのモンスターやじゅもんが、フルCGで描かれる。
スライムやキラーパンサーなどのモンスターの質感は、3DCG映画ならではと言える。
じゅもんを乱発する圧巻のバトルにも注目してほしい。
もちろん、登場人物や街並みの質感も申し分ない。
主人公の顔はアニメ感を意識しつつも、傷などが丁寧に描かれている。
原作にはなかった賑やかで美しい街並みも印象的だ。
季節を感じさせる描写などのこだわりもあり、3DCG映像としての評価は高い。
映画は、2時間しかない尺の都合上、設定や展開が大きく変わっている。
フルCGで描かれるバトルや街並みは圧巻。
原作ゲームをプレイしたほうが没入できる
上のほうに、「気になる方はぜひ」と書いた。
だが、個人的には、原作ゲームのプレイを強く勧めたい。
ドラクエ5をプレイしたほうが映画に没入できる。
実際、この映画には、大きく省略された不親切な部分もいくつかあった。
ゲームで補完しないと、ポカーンとなってしまう場面もあるかもしれない。
原作をプレイしても、映画が理解できるわけではないが、原作のプレイは強くおすすめする。