OCGとは異なるルール 独自のエラッタも
「遊戯王デュエルリンクス」ではゲームバランス維持のため、カードの規制が行われる。
そのうち、カードの枚数を規制するルールを「リミットレギュレーション」という。
一部のカードが強すぎると、ユーザーもやる気をなくしてしまうし、強いカード以外売れなくなってしまう。
みんなのために必要な規制である。
遊戯王オフィシャルカードゲーム(OCG)にも似たルールがある。
だが、デュエルリンクスでは、独自のリミットレギュレーションが行われている。
この記事ではその内容に加え、デュエルリンクスで行われているさまざまな規制を紹介する。
遊戯王OCGのリミットレギュレーション
遊戯王OCGでは、それぞれのカードについてデッキに何枚入るという規制がある。
これは公認大会で適用される。
親しい間柄ではない人とのデュエルでも、このルールに従うのがマナーだ。
- 禁止カード……0枚入れられる
- 制限カード……1枚ずつ入れられる
- 準制限カード……2枚ずつ入れられる
2020年10月1日時点のものを例に取る。
「ゼンマイハンター」は禁止カードであり、デッキに1枚も入れてはいけない。
制限カードの「発条空母ゼンマイティ」と「ゼンマイマジシャン」は1枚ずつデッキに入れられる。
デュエルリンクスのリミットレギュレーション
一方、デュエルリンクスではリミットに指定されたものの中から、0-3枚入れられる。
この規制はゲーム内でのほぼすべての機能で適用される。
- 禁止カード:指定されたカードの中から0枚入れられる。
- LIMIT 1:指定されたカードの中から合計1枚入れられる。
- LIMIT 2:指定されたカードの中から合計2枚入れられる。
- LIMIT 3:指定されたカードの中から合計3枚入れられる。
- (規制なし:どれでも3枚ずつ入れられる。)
2020/10/14時点のリミットレギュレーションを例に取ろう。
「リーフ・フェアリー」と「黄金色の竹光」はどちらもLIMIT 1である。
両方をデッキに入れることはできない。
これらのカードを使った凶悪なデッキがあったが、今は構築が難しくなっている。
「機械天使の儀式」と「サイバー・エンジェル - 荼吉尼」はともにLIMIT2である。
機械天使の儀式をデッキに2枚入れた場合は、荼吉尼を入れられない。
両方入れたい場合は、1枚ずつになる。
LIMIT 3には、「召喚師アレイスター」や「霊神の聖殿」が指定されている。
アレイスターを3枚入れたい場合は、霊神の聖殿を諦めるしかない。
実質的に、「エレメント召喚獣」というデッキを規制している。
デュエルリンクス こんな制限も
代わりに別のカードを規制
デュエルリンクスでは、なるべくパック産URを規制しないよう、気を使っている。
デッキの要となる別のカードを代わりに規制していることも多い。
2020/10/14まで「エレメントセイバー・マロー」がLIMIT 1に指定されていた。
実際に強力とされているのは、別の「エレメントセイバー」カードだ。
でも、このカードをLIMIT 1にすることで、ほかのLIMIT 1が入れられなくなる。
同時に、「エレメントセイバー」デッキが組みづらくなる。
このように、別のカードを規制して、テーマを弱体化する場合がある。
それでも難しいときは、URをLIMIT 3にする*1。
LIMIT 3・召喚師アレイスターもパック産URである。
「出張」性能の高いカードを規制
便利すぎて、どんなデッキでも強くできてしまうカードがある。
星4以下の効果モンスターを素材にできる「E・HERO ブレイブ・ネオス」。
「ネオス・フュージョン」を使えば、デッキから素材を確保できる。
好きなカードを墓地へ送りつつ、強いモンスターを出せるので、重宝された。
このように、違うテーマのカードを好きなデッキに入れる行為は「出張」とも言われている。
ネオス・フュージョンは出張性能が高いため、LIMIT 2に入れられている。
同じく出張性能が高い「月光紅狐」も同じLIMIT 2に入れられた。
カード自体の書き換え(エラッタ)
OCGの一部のカードについて、強すぎるなどの理由から効果が書き変わる場合がある。
例えば、禁止カードが「1ターンに1度しか発動できない」などの制限をつけて復活する。
デュエルリンクスでは、2020/9/29より効果ダメージの仕様が変わった。
それ以降に実装されるダメージを与える効果は、ダメージ量がOCGより半減される。
また、実装済みのカードのうち「溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム」のみ、半分になった*2。
メインフェイズ2を前提にした効果が削除された例もある。
ただ、「メインモンスターゾーン」と書かれたものはそのまま実装されている。
スキルの変更
スキルの内容が変わる場合がある。
一部のスキルを悪用されたというのが、ひとつの理由だ。
わざとライフポイントを削って、早い段階でスキルを使用するユーザーがいた。
特定のカードを意図したスキルだったが、別の用途で使われてしまった例もある。
逆に、想定よりもスキルが弱かったり、今の環境に合わなかったりする例も。
2020/7/27のスキル変更では、「進化した最強ドラゴン」を大幅に強化した。
「真青眼の究極竜」を配布したことで、スキルの価値が弱まったためだ。
新たに「青眼の双爆裂龍」をエクストラデッキに追加し、スキルを強くしている。
OCGに関係する変更
裁定の変更
デュエルリンクスは、遊戯王OCGに準拠している。
カードの運用方法はOCGの裁定に従う。
例えば、効果の処理中にカードが破壊された場合、効果を適用できるかという裁定がある。
そうした裁定が変わる場合、なるべく早く仕様を変更する。
「未来融合 - フューチャー・フュージョン」などは、代用モンスターを融合素材に使えなくなった。
これはデュエルリンクスでも、速やかに適用された。
OCGのルール改訂
2020/4/1、OCGで大きなルール改訂があった。
そのうちのひとつが、罠モンスターの扱いの変更だ。
罠モンスターとは、罠カード「アポピスの化神」のように、モンスター扱いで特殊召喚できるものを言う。
従来は、魔法&罠ゾーンにも存在している扱いで、モンスターゾーンに特殊召喚されていた。
新ルールでは、使用していた魔法&罠ゾーンにカードをセット・発動できるようになった。
このように、ルールの変更が行われた場合も、速やかに適用する。
いたずらに規制しないために
レアカードを規制しないための配慮は各所でおこなわれている。
明らかにカードパワーが強いカードについて、レアリティをわざとR以下にする例もある。
「コアキメイル・マキシマム」は攻撃力が3000な上、カードを破壊する効果も持つ。
低コストで特殊召喚でき、盤面を覆せるカードだった。
だが、現在はLIMIT 1に指定されている。
レアリティはRだったので、ためらいなくLIMIT 1にできた。
特殊召喚に必要な「コアキメイルの鋼核」もLIMIT 2であり、以前より出しづらい。
一部の強すぎるカードは、代わりにスキルになっている。
シンクロ召喚の準備を整える魔法カード「調律」も、そのひとつだ。
こちらも、ためらいなく効果の書き換えができる。
売上を優先した結果、プレイヤーが逃げてしまったら本末転倒だ。
そういう意味では、これらの対処方法は評価できる。
デュエルルームなら無制限も
デュエルルームでは、リミット制限なしというルールでプレイできる。
リミット1、リミット2まで細かく設定することも可能だ。
ランク戦上位勢が使うイメージも強いが、弱いプレイヤーでもデュエルルームを使える*3。
ただし、デュエルルームではランク戦報酬を受け取れない点に注意しよう。
NPC(コンピュータ)戦を含むその他のデュエルでは、リミットなしは設定できない。
ゲームバランスの関係もあり、そうするのは難しいようだ。
好きなカードを好きなだけ使いたい方は、デュエルルームを作ってみよう。