7周年のコンテンツが新規ユーザーを獲得するために
人気ゲームシリーズ「アイドルマスター」。
その中でも一番の大所帯が「アイドルマスターシンデレラガールズ」(デレマス)である。
元となるゲームが7周年を迎え、リズムゲームも3周年を迎えている。
そんな今年に行われている改革のひとつが新キャラクターの投入だ。
これまでにデレマスのアプリ内で3人が登場していた。
そして、4-7人目がリズムゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」(デレステ)に登場する。
問題の理由：限られた声優つきキャラ
この4-7人目のキャラが物議を醸している。
なぜなら、声優とキャラクターソングがあるからだ。
デレマスには、200人近いアイドルが登場する。
その中で、声優のついたキャラクターは半数もいない。
声優はアニメなどのメディア展開の都合でつけられる場合もある。
一方で、投票企画で上位をとったアイドルに声優が付けられることも多い。
そこにはファンの応援によって声がつき、曲ができ、現実でライブができるというストーリーがあった。
ところが、今回、ゲーム内イベントで新キャラに声がつき、新曲を歌うことが発表された。
なるほど、自分が応援していたあの子より先に声がつくことに疑問を持つ人が出てくるわけだ。
デレマスには、ファンの人気投票によって、キャラクターに声優と曲が与えられるという「ストーリー」があった。
新キャラクターに新曲が与えられるのは、そのストーリーに反するので、一部のユーザーの不満が噴出している。
過去には、スタッフの都合で既存のキャラクターに声優がつけられたこともある。
デレマスは持続可能ではない
でも、よく考えてみてほしい。
開始から7年が経ったコンテンツ。
あなたは触れてみたい、始めてみたいと思うだろうか？
このままでは、デレマスは持続可能ではない。
どんどんプレイ人口が減っていく。
そのため、新規の人が参入しやすいように、新キャラという糸口を作るのは合理的だといえる。
声優と新曲があれば、さらによい結果を出せるだろう。
古参オタクによる独占の解消
コンテンツの年季以外に懸念されるのが、ベテランユーザーによるコンテンツの独占だ。
まっさらな新キャラを投入することで、その影響を緩和できる。
デレステのような長寿コンテンツでは、長年応援してきたファン(オタク)の声が大きくなる。
そうすると、新規ファンが入りにくい雰囲気が醸成され、ゲーム自体もそういう仕様になってしまう。
キャラクターのファンになることも同様である。
「登場した当時のことも知らないのに、ファンを名乗るな」と言う人が出てくる。
だから、オタクの手に触れていない新キャラを出し、新規ファンがつきやすくする。
毎年新キャラを出す仮面ライダーやスーパー戦隊も似たようなものだろう。
新規ファンが昔のヒーローやシリーズ全体を語ることに批判的なオタクもいるが、新規ヒーローを推すことに批判的な人はあまりいない*1。
今から始めるユーザーは傲慢な古参に悩まされずに、新キャラを推すことができる。
新キャラがリブートのカギになるケースも
実際、新キャラを投入することでコンテンツの再生に成功しているコンテンツもある。
例えば、「KING OF PRISM」(プリティーリズム)は、休止期間を経て、大人の女性向けコンテンツとして生まれ変わった。
その際、初めて作品の世界観に触れる新主人公を設定した。
そうすることで、「プリティーリズム」シリーズを見ていない新規ファンでも入りやすくしていた。
まっさらな新しいアイドルを出すことで、「新規ファンでもデレマスを楽しいんでいいんだ」ということをアピールできると思う。
「キャラクタービジネスに利用される」懸念も
新キャラがデレマスの新キャラとみなせる存在なら、問題はない。
だが、そのキャラがデレマス以外でも通用するキャラだったとしたら、どうだろう？
推しキャラやデレマスというコンテンツが、キャラクタービジネスのために利用されたと、既存ファンは思うかもしれない。
正直なところ、「デレマスらしさ」が何なのかは私もわからない。
運営はそこのところをわかっているのだろうか？
キャラクターを売りたいだけだと誤解されないこと、また、そういう商法をしないことを期待する。
デレマスは7周年を迎えたコンテンツで、ユーザーの減少が懸念される。
新規ファンが入りやすいように、新規キャラクターを投入か？
新キャラクター：古参ファンがいない。推すことに批判や抵抗がない。
一方で、デレマスの世界観を無視して、単なるキャラクタービジネスの道具にされる懸念もある。
追記：ユニット前提で家族のアイドル2組(4/11)
デレステ側に実装された4人のアイドル。
黒埼ちとせと白雪千夜は、とある事情で同居している2人組だ。
久川凪と久川颯は、双子の姉妹である。
家族なので、出会いから仲良くなるまでを飛ばしてユニット活動を描ける。
彼女たちはユニットを前提としたアイドルではあるが、それぞれに事情がある。
それをイベントストーリーで明かしている。
2組ともポピュラーな設定であり、はじめましてでも馴染みやすい。
その反面、ソロ活動だとどうなるのかが楽しみでもある。
追記：デレマスの新キャラが声なしでデレステへ(4/11)
デレマスに先行登場していた「辻野あかり」がデレステに実装された。
ノーマルのカードがユーザーにプレゼントされている。
ほかの2人も、順次追加していくものだと思われる。
あかりに声はついておらず、曲や専用イベントなどもない。
デレマス側の3人は、一からアイドルを育てていく路線なのだろう。
個性が強い3人なだけに、デレステ時空のスシローや営業コミュでどうなるのかが注目される。
デレステ側で実装されたVelvet Roseとmiroirはそれぞれ家族で構成されたユニット。
デレマス側の辻野あかり、砂塚あきら、夢見りあむは個性が強い3人。
デレマス側の3人は声なしで、ノーマルカードからのスタート。
*1:仮面ライダーやスーパー戦隊の場合、毎年世界観が変わるという特殊な事情がある。デレマスの場合もアイドル一人ひとりが独立していて、全員を知る必要はない。
