優先権・チェーン 難しいルールに注目
遊戯王マスターデュエルの対戦が盛り上がっている。
一方で、難しそうで参加しようか迷っている。
そんな人も多いのではないか?
実際、重要なルールを押さえれば、ある程度は戦える。
ここでは対戦周りの仕組みや、注意すべきルールを解説したい。
正直なところ難しいので、まずは『遊戯王デュエルリンクス』での練習をオススメする。
低ランク帯でガチ勢とあたるのは稀なので、そこまで心配は要らないのだが……
マスターデュエル ネット対戦の主な仕様
遊戯王デュエルリンクスで遊んでいる方は、あの対戦をOCGのルールで行うと思ってもらえればよい。
マスターデュエルの対戦は、デュエルリンクスと共通している部分も多い。
- デュエルの内容がスコア化され、それに応じて報酬がドロップする。
- 勝利・敗北によってランクが上下する。
- 持ち時間があり、時間切れで負けになる。
一方で、
- ソロデュエルではデュエルスコアによる報酬がない。
- ネット対戦をすると、「デュエルパス」報酬がもらえる。
- 対戦で、召喚や効果の発動をした回数に応じたミッションがある。
など違いも多い。
デュエルスコア:行動内容により報酬
ネット対戦でのみデュエルスコアが計算され、それに応じた報酬がもらえる。
デュエルスコアの仕様はデュエルリンクスとほぼ同じである。
勝敗やデュエル中の行動に応じて、加点される。
逆転勝利や大ダメージを与えることで、高得点が狙える。
報酬は1000ポイントにつき、1枠となる。
内容は、「レガシーパック」を引けるチケットが多い。
ボロボロ落ちるので、ソロモードよりもおいしい。
とはいえ、完敗だと何ももらえない点がデュエルリンクスと違う。
初手で負けそうな場合も、何かしらアクションを起こそう。
相手の1ターン目が長い場合、サレンダーは時間の無駄になる。
デュエルパス:対戦するほど報酬
デュエルパスは、プレイをすればするほど報酬がもらえるというシステムだ。
対戦によって「グレード」が上がるごとに、報酬が付与される。
ジェムのほか、カードの生成に必要なCP(クラフトポイント)も報酬に含まれている。
報酬は月ごとにリセットされ、これにはその月限定のアクセサリーも含まれる。
ゴールドパスを購入すれば、追加で報酬がもらえる。
そのときのグレードに応じて報酬がつくため、購入は月末でも問題ない。
2022年4月現在、最終グレード到達で、購入費用分のジェムを回収できる。
注意点として、受け取るボタンを押さないと、報酬がもらえない点を付け加えておく。
また、対戦専用であり、ソロモードではもらえない。
行動に応じたミッション報酬
恒常ミッションとして、デュエル中の行動を累計でカウントしている。
期間限定ミッションでも、行動をカウントするものが多い。
モンスターを召喚した回数などによって、報酬が受け取れる。
同様の仕組みはデュエルリンクスにもあるが、マスターデュエルではジェムがもらえる。
ソロモードでの回数はカウントされないので、誤解のないように。
ジェムが不足してきたら、ミッションを達成できるデッキを作ろう。
例えば、通常召喚の回数を稼ぐには、召喚権を増やすタイプのデッキがオススメだ。
コイントス:先攻・後攻を選べる
コイントスの仕組みがデュエルリンクスと異なる。
デュエルリンクスでは、表なら先攻、裏なら後攻と決まっている。
マスターデュエルでは、表の人に先攻・後攻を選ぶ権利がある。
選択権を得た人は、後攻をとる事が多いだろう。
だが、相手の行動を無効化するのが得意なパーミッションデッキなどでは、先攻を取る人もいる。
効果ダメージによる先攻1ターンキルを狙ったデッキもありうるが、そのときは諦めよう。
長い持ち時間 高ランク帯ではソリティア
マスターデュエルは、デュエルリンクスに比べ、時間制限が長い。
2022年4月時点では、480秒(8分)の持ち時間が与えられ、ターンが進むごとに増えていく。
大量のカードを展開し、強いモンスターを場にそろえる「ソリティア」をする人にはありがたい。
だが、その対戦相手にとっては、待ち時間が長く感じることだろう。
相手がモンスターを展開している間に、カップ麺を作れるというジョークもある。
下のランクでは、カードの展開に慣れていない初心者が相手で、5分以内に決着がつく場合もある。
だが、ランクが上がると、強いカードを並べるのに時間を使う人が出てくる。
ターン数は3-4程度だが、時間はかかる。
チェーンと優先権
チェーン(効果の発動の応酬)が組まれた際の演出に注目したい。
その前に、「優先権」という概念があるので紹介する。
手元に発動できるカードがあった場合、相手のターンであっても、あなたに優先権が移る。
あなたはカードの発動をするかしないか選択でき、その後、相手に優先権を返す。
お互いに発動できるカードがある限り、このやり取りが繰り返される。
効果を発動できるカードがなくなるか、お互いが発動しない選択をしたら、効果処理に入る。
自分の持ち時間は青 相手は赤
相手のターン、あなたの持ち時間のカウントは止まり、画面は赤みがかっている。
いま、相手がカードの効果の発動を宣言し、あなたの手元にも発動できるカードがあった。
このとき、あなたに優先権が移る。
カードの発動を確認する画面が出る。
あなたの持ち時間のカウントが始まり、画面が青みがかる。
そのカードに対し、あなたが効果の発動を選択した。
この場合、あなたのカードが先に処理され、次に相手のカードが処理される。
効果処理は、発動した順と逆の順番で行われるのだ。
あなたのカードの効果処理が終わった時点で、画面が赤に戻る*1。
持ち時間のカウントが止まり、相手の持ち時間(優先権)となる。
ここで、キャンセルを押すと、発動しなかった扱いになる。
ただし、枠外を押すと発動を取り消されず、フィールドを確認するための画面になる。
選択かキャンセルを押すまで、持ち時間はカウントされ続ける。
同様に、カードを好きなだけ選べる効果では、決定(DECIDE)ボタンを押すまで永遠に進まない。
いずれにしても、画面が青い間はあなたの持ち時間なので、覚えておいてほしい。
選ぶ・選択のタイミングに注意
チェーンは逆順で処理されるため、効果の組み合わせに気を配らならければならない。
いま、カードAの効果で墓地へ送ったモンスターを、カードBの効果で特殊召喚したい。
そうしたいときは、後に処理したいカードBを、先に発動する必要がある。
ただし、効果を適用するモンスターを決めるタイミングに気をつけたい。
例えば、
- 墓地のモンスターを選んで特殊召喚する。(以下、カードB1)
- 墓地のモンスターを対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。(以下、カードB2)
この2つの効果には違いがある。
カードB1は効果処理のタイミングで、カードを選ぶ。
カードB2は発動を宣言するときに、カードを選択する。
カードAの効果でモンスターを墓地へ送り、カードB2の効果で特殊召喚する。
同一チェーン上では、それはできない。
カードAで墓地へ送るのは、カードB2の対象を選択した後になってしまうためだ。
そのようなコンボを狙いたい場合は、別々の時点で2つのカードを発動しなければならない*2。
自分の効果にチェーンしてはいけないのだ。
相手に優先権が移ったら注目
発動できるカードがあれば、相手のターンでもあなたに優先権が移る。
ここで、優先権で気をつけたいことを紹介する。
手札誘発 伏せずに使える
「相手の伏せカードを破壊すれば安心」
とはならない。
マスターデュエルでは、手札誘発が充実している。
これは特定のタイミングで、手札から発動できるモンスター効果のことだ。
- 増殖するG……このターン、相手がモンスターを特殊召喚するたびにドロー
- 灰流うらら……カードを手札に加える効果などの発動を無効にする
とくに、この2枚は有名なので覚えておきたい。
伏せカードがないのに、あるいは自分の先攻1ターン目なのに優先権が移った*3。
その場合は、相手がなんらかの手札誘発を持っているということだ。
(特定の条件で伏せずに発動できる罠カードもある。)
ちなみに、デュエルリンクスで猛威を振るっている「カイトロイド」は2022年3月現在、OCG化されていない。
フリーチェーン いつでも発動
発動できるタイミングがとくに決まっていない効果を、俗にフリーチェーンと呼ぶ。
例えば、モンスターを特殊召喚する罠カードは、ダメージステップ以外ならいつでも発動できる。
こうしたカードは、あなたがモンスターを召喚したタイミングなどでも優先権が移る。
モンスターを除去できるカードではないかと、あなたを疑心暗鬼にさせる。
フリーチェーンのカードは、スタンバイフェイズやドローフェイズを含む節目節目で、優先権が移る。
多くの永続罠カードは、効果を発動せずに、カードだけを先に発動できる*4。
自分に害を及ぼすカードかどうかは、相手が発動するかしないかで見極めよう。
チェーンの確認 初期設定はAUTO
「フリーチェーンなのに、なぜか発動できなかった」との声をよく聞く。
実は、初期設定では、チェーンの確認がAUTO(自動)になっている。
コンピューターが勝手に判断して、優先権を飛ばしていたのだ。
デュエル画面の右下に、AUTOと書かれているボタンがある。
そこから設定を変更できる。
ONにすれば、いつでも優先権が発生する。
ちなみに、手元に強いカードがある・ないのを悟られたくない人は、あえてOFFにしている。
いま優先権が移らなくても、特定のタイミングで強い効果を使われる可能性は残されている。
デュエルライブ カードの効果を勉強
デイリーミッションで、「デュエルライブ」を観戦するというものがある。
これは、過去にあった他者のデュエルを見返せる機能だ。
デュエルリンクスでいう「街頭リプレイ」にあたる。
カードプールが多いマスターデュエルでは、カードの効果を知るよい機会になる。
デュエルリンクスと違い、セリフも召喚ムービーもない。
一部を除いてそこまで時間を取らないので、じっくり見るのをオススメする。
強いデュエリストは、強いデッキ・カードをうまく使いこなしている。
気になるものがあったら、あなたも使ってみよう。
*1:効果やコストでカードが墓地へ送られた・除外されたことで、新たな効果が発動できる場合がある。その場合は、前のチェーンの処理が終わった時点で、新たにチェーンが組まれる。
*2:発動コストでモンスターを墓地へ送るカード(「墓地へ送って発動できる」)を使う考え方もある。この場合、効果で墓地へ送られた扱いにはならないので、気をつけたい。
*3:「後攻0ターン」という概念がある。これは後攻を取ったプレイヤーが手札誘発を利用して、相手の先攻1ターン目にモンスターを展開する行為を指す。相手の伏せカードの影響を受けないため、妨害されにくい。むしろ、相手の動きを妨害するためのモンスターを展開する場合も。
*4:「魔法・罠カードの発動を無効にする」効果に永続魔法・罠カードの、効果のみの発動は含まれていない。カウンター罠では対処できないことが多いので、気をつけたい。一方で、永続魔法・罠カードは、フィールドに存在しなくなった時点で効果を発揮できなくなる。「サイクロン」のような破壊効果は有効だ。