「沈黙の剣」の利点・欠点を知っておこう
サイレント・ソードマンのストラクチャーデッキEXが配信された。
これは通常のストラクチャーデッキより価格が高いので、ご注意を。
さて、このデッキには既存カードが再収録されているほか、「沈黙の剣士—サイレント・ソードマン」が新録されている。
一見すると、新録が1枚しか入っていなくて、お得感がないように思える。
しかし、このカードはかなり強い。
この機会にぜひ使いたい。
ということで、利点・欠点・対策を含めて、沈黙の剣士—サイレント・ソードマンについて、まとめる。
沈黙の剣士—サイレント・ソードマン
沈黙の剣士—サイレント・ソードマンは、サイレント・ソードマン LV3-7のリメイクカードだ。
(もともとの攻撃力は1000だが、)両プレイヤーのスタンバイフェイズに攻撃力が500アップする。
魔法カードの発動は、1ターンに1度だけ無効にできる。
このカードが破壊された場合、「サイレント・ソードマン」モンスターを条件を無視して、デッキから特殊召喚できる。
3の効果は、サイレント・ソードマン LV7も特殊召喚が可能だ。
このあたりの取り扱いは「沈黙の魔術師—サイレント・マジシャン」と同じである。
だが、サイレント・ソードマンは、魔法カード「沈黙の剣」が使える。
沈黙の剣士をフィールド上に残しておくと、攻撃力が10000超えする可能性もある。
沈黙の剣の取り扱いについて
沈黙の剣は、サイレント・ソードマンの攻撃力を1500アップしつつ、相手の効果を受けなくする。
この効果は無効化できない。
相手プレイヤーが効果を受けるカードはこのカードで無効化できない、という話は以前の記事で書いた。
それ以外にも、サイレント・ソードマンが「存在しない」状態にしたら、効果が使えないという弱点がある。
「沈黙の剣」にチェーンした効果は受けてしまう
沈黙の剣は対象を選ぶ効果だ。
そのため、効果を適用する手続きをしている間に、対象のモンスターがいなくなれば、不発になる。
「バージェストマ・カナディア」などで裏側守備表示にしても同様*1。
これは、発動を無効にされないというルールとは別の話である。
沈黙の剣にチェーンして、別のカードを発動されれば、その効果を受けてしまう。
沈黙の剣は、発動の手続きの完了と同時に効果を得るカードなのだ。
ダメージステップに発動=ほぼ無敵
対象を破壊する・裏側守備表示にするというやり方を防ぎたい。
そのためには、沈黙の剣をダメージステップに撃つ必要がある。
バトルフェイズに攻撃宣言をした後、攻撃力・守備力の比較とダメージの計算を行う。その段階をダメージステップと呼んでいる。
沈黙の剣は、そのタイミングで発動できる。
ダメージステップには、原則として破壊や表示形式変更の効果を使えない。
使えるカードは、
- 攻撃力・守備力を変化させる効果を含むカード(沈黙の剣も該当)
- ダメージ計算にかかわるカード
- カウンター罠カード(沈黙の剣は無効にできない)
などに限られている。
このタイミングであれば、少なくとも発動を不発にされることはないだろう。
(もし攻撃宣言時にチェーンされたなら、それにチェーンして沈黙の剣を使っても構わない。)
「封魔の矢」=チェーンできない
ところで、「封魔の矢」のテキストには、チェーンできないと書いてある。
このカードの効果は無効化できず、相手を強化する魔法・罠カードも防げる。
封魔の矢を出した瞬間に、他の魔法・罠カードは一切使えなくなる。
そういう意味では、沈黙の剣よりこちらの方が強い。
だが、モンスターの効果を使えてしまうという弱点がある。
相手が効果を受ける「クリボー」などには注意が必要だ。
「沈黙の剣」に対するチェーンはカウンター罠で無効
沈黙の剣の対象を失わせる効果を使われても、チェーンしてもう1枚の沈黙の剣を発動すれば、その効果を無効にできる。
しかし、1月のリミットレギュレーションで、沈黙の剣がリミット2になったため、それは難しくなった。
代わりと言ってはなんだが、カウンター罠カードでもカードの発動を無効にできる。
カナディアに対して、「トラップ・ジャマー」や「神の摂理(罠カードを捨てる)」などを撃てば、沈黙の剣は通る。
カウンター罠にはカウンター罠でしか対抗できない(カウンター罠が一番偉い)ため、無効にされる可能性は低い。
「沈黙の剣」の対象は相手の効果を受けないが、相手が受ける効果は無効にできない。
「沈黙の剣」の発動にチェーンして、対象のサイレント・ソードマンがフィールド上に存在しない状態にすれば、効果は不発になる。
「沈黙の剣」へのチェーンはカウンター罠で対処できる。
ダメージステップに沈黙の剣を発動すれば、相手は無効にできない。
沈黙の剣士の天敵:伏せカード封じ・種族変更・強制リリース
沈黙の剣士—サイレント・ソードマンと相性の悪いカードをまとめる。
心鎮壷のレプリカ:セットされたカードは使えない
伏せた沈黙の剣を使えなくする罠カード「心鎮壷のレプリカ」に注意しよう。
このカードの発動を宣言した瞬間、選択された伏せカードは発動できなくなる。
チェーンもできない。
墓地へ送られないので、サイレント・ソードマン1体をデッキから手札に加える効果も使えない。
制限を解除する方法は、心鎮壷のレプリカを除去することだけである。
そもそも、沈黙の剣は自分のターンに手札から使うことも可能だ。
セットするか手札に残すのかはよく考えたい。
DNAバスブレ:沈黙の剣士封じ
沈黙の剣士の最大の天敵は、「DNA改造手術」を使った「バスター・ブレイダー」デッキであろう*2。
相手のフィールド上のモンスターの種族をドラゴン族にすることで、「竜破壊の剣士—バスター・ブレイダー」の融合素材にしてしまう。
ドラゴン族扱いの相手モンスターは守備表示になる。
さらに、相手フィールド上のドラゴン族モンスターの数だけ攻撃力が上がるため、一挙両得のコンボである。
このコンボの何が怖いか?
DNA改造手術でドラゴン族を指定されると、沈黙の剣士が特殊召喚できなくなる。
戦士族をリリースして特殊召喚するという条件が満たせなくなるのだ。
こうなれば、DNA改造手術を除去するほかに、沈黙の剣士を召喚する方法はない。
逆に、相手がDNA改造手術や「破壊剣士融合」を引く前に、沈黙の剣士かサイレント・ソードマン LV7を場に出していれば、勝ち目は十分ある。
サイバー・エンジェル—荼吉尼:効果を受けるのはプレイヤー
「サイバー・エンジェル—荼吉尼」は、2つの抜け道を持っている。
第一に、魔法カードが発動できない状況でも、罠カード「緊急儀式術」で儀式召喚ができる。
第二に、儀式召喚に成功した場合の効果は、例外的に沈黙の剣で無効化できない。
これはプレイヤーを対象として、リリースの義務を負わせるという効果である*3。
モンスターが効果を受けているわけではないので、沈黙の剣をすり抜けてしまう。
フィールド上にサイレント・ソードマンしかいない場合、なにがなんでもリリースしなければならない。
この効果も、カウンター罠で無効にして破壊しよう。
「心鎮壷のレプリカ」はチェーンできないため、伏せた「沈黙の剣」がまったく使えなくなる。
「DNA改造手術」で戦士族以外を指定されると、「沈黙の剣士—サイレント・ソードマン」が特殊召喚できない。
「サイバー・エンジェル—荼吉尼」の儀式召喚に成功した場合の効果は、プレイヤーが受けるもの。沈黙の剣では無効にできない。
作成例(×22)
モンスターカード(×11)
- サイレント・ソードマン LV5×2
- サイレント・ソードマン LV7×2
- 沈黙の剣士—サイレント・ソードマン×2
- ジャンク・サーバント×2
- ジャンク・フォアード×3
現状、サイレント・ソードマン LV3は必要ない。
LV5はジャンク・フォアードをリリースして、アドバンス召喚できる。
ジャンク・フォアードは戦士族なので、もちろん沈黙の剣士のリリースにも使える。
魔法・罠カード(×11)
- 神の摂理×2
- 砂塵の大竜巻×1
- 沈黙の剣×2
- バージェストマ・ハルキゲニア×2
- 波紋のバリア—ウェーブ・フォース×1
- 封印の黄金櫃×2
- レベルアップ! ×1
魔法カード、ギャラクシー・サイクロンはLV7の効果で無効化されてしまう。代わりに砂塵の大竜巻を入れる。
沈黙の剣士の攻撃力は出した直後の相手ターン、1500しかない。バージェストマ・ハルキゲニア・銀幕の鏡壁でようやく青眼の白龍と相打ちできる。
沈黙の剣士は攻撃力1500以下なので、クリッターで手札に加えることも可能だ。
だが、場合によっては沈黙の剣を手札に加えたいので、封印の黄金櫃を使う。
強いには強いが……抜け道を把握しよう
沈黙の剣士前提のサイレント・ソードマンはそこそこ強い。
しかし、抜け道を知っていれば、容易に対策ができてしまう。
使う側も、相手の策に翻弄されないよう、どのような戦術で突破されたかを記録しておこう。
(上に書いた抜け道の一部は、実際にランク戦でやられたときのことであると付け足しておく。)
*1:Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
*2:沈黙の魔術師も魔法使い族限定なので、影響を受ける。